千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

某バーに実在する鳥さんの眠気に関する事実

その"鳥さん"は、以前の時の夜に比べて確実にこの夜は非常に健康で俊敏でした。カウンターに置かれるミニ黒ヒゲ危機一髪の剣をクチバシに持ったまま、我々に向かって突進してきました。あるいは、我々の事情は一切意に介さず、我々の指を一心に噛みました。合間に、グラスの水滴を飲みました。以前の夜は我々はこの"鳥さん"に、手に乗って欲しい、肩に乗って欲しいと願いましたが、この夜はまるで反対の事を願いました。奥に行っては黒ひげの剣を咥えました。右に行っては紙を細切れにしました。左に行っては携帯のストラップと闘いました。手前に来ては我々の指を噛みました。これらは非常にスムーズに俊敏に成されました。
そしてその行動力がピークに達したと思われた瞬間、"鳥さん"は復元可能な程に切られた羽を羽ばたかせ、肩に飛び移って来ました。耳を噛まれる恐怖に戦慄しました。しかし"鳥さん"は大きな欠伸を済ませた後、髪に上半身を潜らせ、そのまま寝てしまいました。
我々は人間や猫の子がそうするように、"鳥さん"も寝る前に"ぐずる"事があることを知りました。