千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

西成活裕「渋滞学」を読んだ

渋滞学 (新潮選書)

渋滞学 (新潮選書)

自動車からmRNAまで、渋滞のメカニズムを解き明かしていく。
自動車の渋滞、蟻の渋滞、火事避難の渋滞など、モデル化して説明してくれる前半は面白く有意義に読めました。でも後半のインターネットの渋滞とか細かい例はモデル化して深堀りされてなく、本書でもあるように「納得」できない感じです。まだ10年足らずの学問だっていうから、当たり前というかあまり期待しすぎるのが酷だとは思いますけどね。
読んでいるとだんだん、渋滞の定義が拡大されていって、なんだかよく分からなくなってきたりもしたので、ちょっと渋滞の範囲を広げすぎじゃないかと心配になっていたら、Amazonから著者の新書である「無駄学」のお知らせがあり、「あー、やっぱりそっちの方向になるのか」と思ったりもした。個人的には着実に渋滞の方程式を解き明かして頂きたいところです。そんなもんがあるのか分かりませんけど。


ミックスナッツ缶などで小さい物ほど下に落ちたり、砂時計が大体きまった時間で砂が落ちる仕組みは物理学で解明できていないというのは驚いた。宇宙とか深海の前に、身の回りにもまだまだ分からないことが多いものだなぁ。