千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

「ヘル」を読んだ

ヘル (文春文庫)

ヘル (文春文庫)

巻末の筒井康隆横尾忠則のヨイショ合戦に半笑い。巻末の筒井康隆QAに半笑い。しかし筒井康隆氏の事であるから、これも含めて一作品「ヘル」と見るべきなのか、なんせ虚構の人でありますから、そこんとこ私のような凡人にはさっぱり判断つきません。
本編としては、地獄とも天国ともつかない、しいていえば神曲でいうところの辺境のような、日常の延長のような死後の世界「ヘル」と現世の交流を描いたりしたハートフルストーリー(嘘)。しかし巻末の筒井横尾対談は夢の話ばかり。つまり夢の話?まぁ本編でも夢は重要な位置を占めておりますが。私ぁ、最近仕事ばかりして頭が悪くなる一方でよく解りません。
巻末の対談で「後半のトロッコの少年辺りからセリフは五七調」というのを読んで、初めて気づく私。すみません、トロッコの下りは読むのめんどうくさくて飛ばしてしまいました。一文が長くて、長いと思うだけで降参してしまう。これもwebの弊害か…(適当)

死後が日常の延長というのは、誰でも一度は思うことであります。まぁそれを作品に落とし込む手腕は手腕としておいておいて。ちなみに私の考える死後は、「死の瞬間のその刹那を、その人次第で、走馬灯の中で永遠に存在してられる」という感じでして、まぁこれだと死後ではなく死の直前なのですが、なんていうかですね、ヘトヘトのマラソンランナーみたいに、本人の頑張り次第で、その、「世界の終わりとハードボイルドなんとか」みたいに、本人の時間間隔っていうんでしょうか、擬似的な無限な「今」を継続するという感じですかね。ただし、本人が息切れすると終わり。「あ、これ死ぬじゃん」とか思うと終わり。そこからは無。マルホランドドライブもそれに近いですかね。