千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

今週の眉村先輩(MAJOR)

前の満田先生の作品であるバレーボール漫画「健太やります!」には、辰巳という現連載「MAJOR」での眉村にそっくりなキャラがおります。辰巳をレベルアップしてより冷徹にして大物にすると眉村という感じです。健太率いる坂見台の物語上での最終決戦の相手は辰巳率いるチームでしたが、この時、健太等に追い詰められた敵チームの一員である前田(兄)は、辰巳との回想を振り返ります。それは辰巳が実は高校を受験浪人しているので一個年上だったという事実が辰巳自身の口から語られた件です。前田兄と辰巳はこれを機に結束を強める…という内容でした。非常に取ってつけたような軽い回想(名台詞「バカヤロー ハハハハ」アリ)ですが、マシーン的イメージしかなかった彼らに人間味を与えるシーンとして味わい深いシーンでした。
さて先週のMAJOR。アメリカ戦の先発である眉村(というか辰巳)が、ビッグマン・ゴローに、「実は自分は緊張しがちな気の小さな人間なんだ…。いつもマウンドに上がる前は緊張で(以下略)」であるという旨の内容を語ります。死亡フラグです(死にませんけど)。非常に不安を与える展開。満田先生のすごいところは、板垣先生が「予想を裏切り、期待を裏切らない」であるなら、満田先生は「予想を裏切らず、期待を裏切らない」点です。はっきりいって、いつも見え見えのフリでそのとおりの意外性の無い展開なんですけど、漫画力でつい読ませられてしまう。そして、今回も例に漏れず正しくアメリカさんに打ち込まれてしまい、キャッチャーの佐藤に弱音を吐く…のですが、私は先に述べたように眉村は辰巳だと捉えておりますので、いつか必ずこの浪人話が出てくるに違いない!と思っておりますので、「ああッ、ついに眉村が実は浪人(中学浪人?)していて、お前達より一個上→バカヤローハハハハ」という過去が明らかになるのか!と思っていたのに、そんなことはありませんでした。それはともかく、健太やります!の頃はあまり良い出番のなかった辰巳がMAJORで良い役回りをもらえそうで良かったです。