千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

ウォッチメン(漫画版)

WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)

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夜中に読み始めて、黒人の医師の話が終わった時点で寝たら夢に出た。暗すぎる。
まぁ、散々語られているであろう作品なので、私が今更言うのも微妙なのだけど、メモとして記しておく。


読んでいる最中、何か強烈な違和感を受けた。
普通、漫画や映画といった虚言記(造語)を読む時は、それが創作物であることを割り切って読めるし、作者もそう思って記しているのだと思うのが、ウォッチメンはどうも割り切れない。作中内資料がその大きな原因だと思う。一般的に漫画はコマの中が彼らの世界であって、コマの外は我々の世界だ。コマの外にあるのは目次だったり、奥付だったり、余分な頁を埋めるカットや落書きだったりする。ファイブスターだって設定資料だ。設定資料は我々の世界だ。だが、ウォッチメンは(これは日米の出版物文化の違いなのかもしれないが、)余分な頁は無いから端から端までウォッチメンだし、コマの外も作品内資料で埋め尽くされているし、本はカバー付きだし、重いし、開き難いし、読み難いし、作品中でも別作品が展開しているため、ウォッチメンという本の中で迷子、というより監禁されてしまうのだ。ただ、監禁されたっつったって、これは虚言なのだ。著者が如何に気張って私を作品から逃すまいと監視しようと、これは虚言、明らかに虚言なのだ。しかし、どうにも割り切れない。
だが、私はついに割り切れた。監視の目を逃れた。それは最終章でラスボスが実行した作戦を知った瞬間だった。あれは無いだろ!目的と意義は分かるし同意するけど、あれは無いだろ!台無しだ!一気に現実に引き戻された。あそこで終わらなくて良かった、、、