千切っては投げ

かつてはテキストや漫画読み、漫画描き。今はほとんど将棋です。

忍空が気持ち悪いという話

友人と話をしていて確信した話。
ウルトラジャンプ以前の、週刊誌の時も多くの人が感じていたと思うし、そこが魅力ではある忍空。その気持ちの悪さは二回目のセカンドステージでも健在だ!しかし具体的に何が気持ち悪いのか。解り易いものとしては、
絵が気持ち悪い
という事が挙げられるでしょう。たしかに風助は先天性の病気のようなカエル的風貌をしている上に言葉に割りと不自由し、更には孫悟空やルフィとは全然印象の違う大食らいをする。各キャラクターが引きつっている時の表情は素晴らしく気持ち悪い。ひろゆきは気持ちの悪くなるくらいウンコをするし、その飼い主橙次は気持ちの悪くなるくらい屁をする。
ちょっと踏み込むと、一部に出てきた敵集団のボンテージ衣装が気持ち悪いし、それを平気で装着しているメンバーも相当気持ちが悪い。他には修行の場が遊園地というのも気持ち悪い。
しかし、本当に気持ちが悪いのは世界観ではないだろうか。例えば、戦後の貧しい世界であるのに、建物はどれも立派だし、人々の身なりも悪くない。戦争の爪あとに関してはハード的には全然無いのだ。
であるにも係わらず、いつも山奥山頂付近の原っぱにポツリと一軒家が建っており、そこには身寄りの無い子供と、何故かイケメンが住んでいたりするし、何にも物資の無さそうな彼らを、これまた何のメリットもなさそうな武装集団が襲ったりする。『何故』ということに関してまったく理屈に合わないのだ。
今月号では、敵その1が登場したものの「純愛小説って泣けるなぁ」と、これまた意味の判らない気持ち悪さを展開。そして風助ともあろう人が、熊が殺されることをまったく察知できず呆然とするし、強いであろう敵その1も、風助の強さをまったく見抜けない。何故だ。
更にだ。ガキが山奥に迷い込むと、謎の研究室が登場するのだが、それが手前までは岩場で、扉もなく一歩奥へ入ると近代的な床と精密機器と研究施設なのだ。ありえないだろう。そして、この強烈に感じる生理的な気持ち悪さはなんなのだろう。何かがスッポリ抜け落ちている。怖いなぁ。